【完】スキャンダル・ヒロイン〜sweet〜

りっちゃん以外とは、ほぼ久しぶりに会う友達。顔も分からない子達ばかりだったが、もう私達も22歳。皆大人になっており、何故か恐ろしい程お洒落な格好で来ている。

え?!同窓会ってそんな気合いいれる場所だった?

「うわー、静綺?!久しぶり!」
「え?静綺?全然変わってないからびっくりした!」
「棚橋久しぶりじゃん。つかお前変わらないなぁ」

口々に声を掛けられたが、名前と顔が一致しない。

名前を聞いてようやく思い出す人たちばかりだった。幹事のユイちゃんと並んでりっちゃんが居て、座っていた場所から大きく手を振る。

「つーか静綺…ちょー適当だね。まあ、静綺らしいけど」

「え?!りっちゃん何か可愛いワンピース着てるじゃん。どうしよう~…何か私場違いの場所に来ちゃったみたい~…
今日出かけに嫌な事があってそのままヤケになって来ちゃったよ…」

「またぁ?どうせ姫岡さんの事でしょう?後でふたりになったらゆっくり話聞いちゃるから」

「うぇーん、りっちゃーん」

ガヤガヤとした居酒屋の会場で、皆に飲み物が行きわたり幹事の挨拶を済ませた後乾杯をする。
辺りを見回すと、男子も女子も成長しすぎて分からない子達ばかり。

それもその筈、私達の小学校はそのまま皆同じ中学へは上がれなかった。学区内の関係で、南と東の中学に半分ずつ分かれた。

だから、小学校卒業以来会っていない子達もいる訳だ。

人見知り発動中。りっちゃんは誰でも仲良く出来るタイプだけど、慣れるまでに時間のかかるタイプ。

何となく居心地が悪い…。
< 97 / 229 >

この作品をシェア

pagetop