若きビル王とのエキサイティング・マリッジ
勘違い…というか、そもそも孫を変わり者とは何ですか!と憤りたくなる。


「香織は顔は悪くないのだからな。目元は父親似でパッチリしているし、鼻や唇は母親に似て、こじんまりとまとまってて形もいい。背格好だけは残念ながら伸び過ぎてしまったが、スタイルだって、別に悪くはないのだから自信を持っていいぞ」

「いや、だからね」


私の容姿なんて今はどうでもよくて、ただ、相手とはもう会いたくない、とそれだけが言いたいのに。


「まさか、今夜の誘いを断ったりはせんよな。お相手は忙しい中、香織の為に時間を割いて下さるのだぞ。それを無下にするような孫に、私は育てた覚えはない」


いやー、私、お祖父さんに育てられた覚えはありませんけど。


頭の中で祖父にツッコミを入れ、言いたいことも言わず、ゴクッと喉の奥へ押し込む。


「香織だって、あんなハンサムボーイにまた会えるのだから得だろう。その上、大企業の次期社長となれば、将来も確実に安泰だぞ」


祖父の発言を聞きながら、次第にウンザリしてしまう。

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