若きビル王とのエキサイティング・マリッジ
今まで書いてきたデザイン画は、全てこの紙の上に残っている。

実際にそれが着物になったことはまだないけれど、いずれそのうちには…と期待をしているのは確かなことだ。


勿論、それにはきちんとした理由もある。
けれど、それを話すには、自分のコンプレックスまで語らないといけない。


(でも、この人は、それを知った後どうしようというのだろう。
彼に話したところでコンプレックスを笑われたり、変に同情されて、納得されたりするのも嫌なのだけど……)


迷いながら鉛筆を握り直す。

デザイン画の上に目線を落とし、紙の上に付いた斜線を気にしながら、別にそれが彼に知られたからといって、特に構わない相手ではなかったか…と思い出した。


(この人とは、単純にお見合いをしただけだもの。今はこうやって彼に連れ回されているけれど、多分これが最後だろうし、これから先に会うことも、きっと無くなるだろうと思うから……)


それならば、恥はかき捨てで教えてやろうか…と鉛筆を走らせ始める。
目線は下に向けたまま、諦めたように息を吸って吐き出した。



「身長がね」

「え?身長?」


< 59 / 137 >

この作品をシェア

pagetop