若きビル王とのエキサイティング・マリッジ
「悪い悪い。それでどうした?久し振りに会って、話はしたのか?」


ボソボソと声のトーンを落とす弁護士は、相手の顔を見ながらニヤニヤ笑っている。


「ああ」


ノーネクタイの男性はそう答え、俺に背中を向けたままこう言った。


「彼女に会ってプロポーズした。子供の頃からずっと君を見てきたと言ったら、目を真ん丸くして驚いてた」

「ええっ!?いきなりか!?」


再び声を上げる弁護士は目を剥いたまま、「あんまり急過ぎないか?」と訊き返している。


「仕方ないだろう。僕はこっちへ来ること自体が少ないんだ。彼女に会う機会だって減っているし、顔を見た時に言わないと出遅れたら困るだろう」


男性はそう答え、相手は「そりゃそうかもしれんが…」と呆れ気味でいる。



「すみません」

「はあ?」


振り向いたノーネクタイの男性と弁護士は、声をかけた俺のことを視界に入れた。
こっちは目の前で、今朝がた『結婚を前提に付き合いを継続したい』と言った相手のことが話され始め、抑えきれずに声をかけてしまっていた。


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