カフェの店員はデートします!
「緊張しなくていいよ?怖がることなんてない」

不安がっているのが伝わったのか、車が赤信号で止まった時、美丘さんが頭を撫でてくれた。その心地よさに目を細める。

「ありがとうございます」

私が微笑むと、美丘さんの頬が赤く染まった。



レストランは、お高いだけあっておしゃれなブランドのスーツやワンピースを見に包んだ人が集まっている。私は美丘さんの手をギュッと無意識に掴んでしまっていた。

「あ、ごめんなさい……」

迷惑かな、と思い離そうとすると「このままでいいよ」と優しく言われ、私と美丘さんは手をつないだまま店内へと入った。

温かい色の照明が煌めき、中庭のあるおしゃれなレストランだ。美丘さんが「予約していた美丘です」と伝えると何故かエレベーターの前に案内された。

「えっ?」

私が首を傾げていると、美丘さんがいたずらっぽく笑う。

「実はね、ここの最上階からは綺麗な夜景が見えるんだ」

今日はそこで食べよう、そう言われて私は美丘さんとエレベーターに乗った。さっきからドキドキしすぎてしまっている。
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