カフェの店員はデートします!
チン、と音がしてエレベーターが最上階についたことを告げる。ドアがゆっくりと開けば、そこには想像を超える美しさがあった。

「綺麗ですね。とても綺麗で、これしか言葉が出てきません」

街の明かりがまるで光の粒のように見えて、見とれてしまう。美丘さんが「気に入ってくれてよかった」と微笑み、席にエスコートしてくれた。

「生ハムとバジルチーズの前菜です」

二人で話していると、おいしそうな前菜が運ばれてくる。

「いただきます」

前菜を口に運ぶと、初めて食べる味に脳が刺激されていく。でもとてもおいしい。

「おいしいです!」

私がそう言い笑うと、頬に手が添えられる。そして一度互いの唇が触れた後、美丘さんが言った。

「どんな綺麗な景色も、君とずっと一緒に見ていたい」

私は美しい夜景と美丘さんを見つめる。美しい景色は、特別な誰かと見るから綺麗なんだ。

「私も、美丘さんとまた夜景を見たいです」

そう私が言うと、また唇が重なった。
< 7 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop