あの丘で、シリウスに願いを
「ところで、六平先生はどうですか?元気にしてますか?」

酒を注文すると、洸平は一番尋ねたかった事を聞いた。

「あぁ、六平先生ね。なぁ、水上。あの子、本当に一条教授の推薦があったくらい優秀なのかい?」
「といいますと?」
「まぁ、真面目だよ。言われたことはきっちりこなすし、患者の信頼も悪くないが、なんて言うか向上心がないんだよな。医師としてのやる気が感じられない」
「そんなバカな。六平先生は、前向きで毎日全力で真摯に仕事に取り組む子でした」
「信じられないな。正直期待外れだった」

思いもかけないほど、まことに対する北山の評価の低さに水上は戸惑う。期待はずれとまで言われるとは、翔太が合流する前に聞いておいてよかった。


その時、すぐ近くに救急車が止まった。

「あれ?何だろう」

救急隊員がベリヒルのショッピングモールに入っていく。
それを見て北山も水上もバーを出た。目の前のグラスは、口も付けられなかった。




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