あの丘で、シリウスに願いを
「共有?上司としてもっと頼ってほしいってことじゃなく?」
「一人の人間として頼ってほしい。
心臓は問題ないはずなんだ。でも君はいつも痛みに怯えて生きている。だから、俺を頼って欲しい。君が疲れて壊れてしまわないように」

「上司や仕事仲間でもない。友達の距離感ですか?恋愛関係なんて有り得ないし。
翔太先生の言ってること、わかりません」

わからないといいつつ、まことにはわずかな期待がよぎる。もしかしたらまことが一番望む距離感の関係が築けるのではないかと。

「そっか。やっぱりきちんとした名前のある関係じゃなきゃダメ、だよねー。ごめん、上手くいえないや。
俺にとって恋愛はゲームなんだ。ただ刹那的に楽しむだけ。でも、君とはゲームするつもりはないから恋愛関係じゃない。かといって男女の友情みたいな曖昧なものでもないんだよなぁ。
とりあえずさ、予定が合う時に一緒にご飯食べよ?見たい景色があれば一緒に行こ?ナナの散歩も付き合ってよ。もしジョギングするなら付き合うから」

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