あの丘で、シリウスに願いを


ぎゅっと抱きしめられて、体がピッタリとくっつく。より近づいた翔太の体にまた心臓がドキドキしそうになって、まことはふうっと息を吐いた。

ーー落ち着かなくちゃ。冷静になれ。

「もう、苦しくない?」
「心臓は、大丈夫。でも、息苦しいから離して下さい」
「ダメ。朝が来て日常が戻れば、また仕事に忙殺される。二人きりの今だけは、まことの時間も温もりも全部俺のもの。
体繋げるのがダメならせめてくっついていたい」

切なげに耳元で甘いセリフを吐かれ、まことの背中がぞわぞわする。

「…さすが。まぁ、よくそんな歯の浮くようなセリフが思いつきますね。私なんて、女にも見えないでしょうに」
「まぁ、確かにちょっと、ってか、だいぶボリュームはないけど」
「あっ」

翔太の手の中にすっぽりと収まってしまうほどの胸。触られてまことは慌ててその手を払う。

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