地獄船
それは弾むように楽しく、だけど時々切なく、そして愛しくなるような音色だった。


「マジ神じゃん」


最後まで演奏を終えた瞬間、ギャル鬼が呟いた。


どうやら、この感動は鬼にも届いたようだ。


子鬼たちから拍手が沸き起こる。


しかし、中にはピアノに興味がなかったのか、欠伸をしている子鬼もいた。


まずい。


ピアノ演奏は子鬼にとってはたいくつなものだったかもしれない。


そんなの想定外だ。


ミヅキもその事に気が付いたのか、慌てた表情を浮かべている。


ミヅキがひいたのはクラシック音楽だったが、ここは子供向けにアニソンをチョイスするべきだったのだ。
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