今日のソライロ〜死の都
お母さんから聞いた話。

わたしはまだ赤ちゃんだった。

ハイハイし始めた頃、隣の家に行ったとき、当時、一歳だった祐太と仲良くなったらしいのだ。

記憶はほとんどないけど。

どうして仲良くなったのか分からない。




運命って本当にあるのかな?



あなた達と出逢えたことは大切な思い出です



どれも遠い昔なので、その記憶が消えるのが怖いのだ。



こんなことなんかなければ今もみんなで笑っていられたのですか?



途端に階下から母の叫び声が聞こえた。



「思い出話どころじゃないわね。」

由利亜さんが武器を身構える。



わたしは大鎌をそっと握り締める。

赤い三日月状の刃が鈍く光った気がした。



慌てて階段を下った。



嫌な予感は見事に的中。



家のなかに奴らがいた。



母に奴らがしがみついて噛みつこうとしている。



むやみに日本刀や弓、薙刀を振り回すと母を傷つけかねない。



周りはそのせいでゾンビを倒せずにいた。




考えるより先に体が動いた。



大鎌を床に放り出し、ゾンビに突っ込んで行く。



ー守らなきゃー



「なにやってんだ、馬鹿!!」

みんなの悲鳴にも似た叫び声なんか聞こえなかった。



死んだって構わないー



彼女はそう思った。

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