君の腋を舐めたい


「私ね・・・・。」


「あ、はい。」


「もしリサちゃんの身に何かあったら、
辞める覚悟だった。」


「え!?」


「だから306号室に彼女を避難させられた瞬間、

自分は刺されてもいいから、あとは藤村の身柄を抑えるだけだって・・

スッと肩の荷が下りて、
アイツの包丁ごと受け入れて、

ぶっ殺してやろうと思ったんだけど・・。」


「あ・・ごめんなさい・・。

3階に着いて、
ちょうど修羅場の真っ只中だったので、

つい条件反射的に・・
アサミさん守らなきゃって・・。」


「私・・・つくづく思い知らされた。なんて自分は弱い女なんだろうって・・。

福ちゃんが庇ってくれなかったら、
本気で向けられた殺意に怯んでた。

多分・・何も出来ずにただ刺されてた。」


「まぁ・・生活安全課にいたら、

“本気の殺意”向けられる機会なんて無いから仕方ないですよ。」




「お待たせしましたぁ!!
追加のタン塩と肩ロースになりまぁ~す!」




「自信無くなったなぁ・・・・。

福ちゃんがもし助からなかったら、
すぐに辞表を出すつもりだったのに、

リサちゃんも無事で、
福ちゃんも生き返って、

“続ける”っていう選択肢を与えてもらったけど・・。」

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