君の腋を舐めたい


「福ちゃん・・。
さっきから・・何を・・?」


「初めて見た私服姿も、
似合わない文庫本を読むのも。

穴開けた日経新聞からそれを眺めるのも最高だった。

でも今回の事件はそれだけで終わらなかった。

藤村がリサちゃんを襲おうとしている。
藤村がリサちゃんと既に一緒にいる。

俺は【ここしかない!】って思いましたよ。


神は俺に絶好の好機を与えてくれた。

とにかく一刻も早く藤村と対峙して、
【怪我を負わされよう】って。

だってアサミさん・・絶対にプライベートでご飯付き合ってくれないんですもん。

だからあなたが俺の、

“一緒に飲みに行きたい”っていう願いを断り切れない状況を作り出そうって。」


「・・・・・・・・・・・。」


「もし藤村が何も持ってなかったら、

揉み合うフリしてわざと負けて、
頭を打ちつけようと思ってました。

でもあのストーカーはナイフを所持しててくれた。

・・安心してください。所詮相手は素人。

急所を外して刺されることぐらい造作ありません。」


「・・・・・・・・・。」

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