俺様外科医との甘い攻防戦
「抱いていい? 俺、手術直後で」
「その言い訳、いりますか?」
むくれた声を出すと、フッと息を吐くように笑われた。
「そうだな。手術後じゃなくても、今は陽葵が足りない」
抱き上げ、すぐにでも寝室に連れて行こうとするから、私も要望を伝える。
「これから時間が合うときは、私と一緒に私の作ったご飯を食べてくれませんか?」
「それは願ってもない申し出だ」
寝室に向かう足は止められない。
「待って! 先ほどの『ただ……』の続き、聞いていません」
「それは、また今度でいいだろう?」
甘い雰囲気に酔いそうになり、最後のお願いを口にする。
「あと、もうひとつ」
これは重要な事柄だ。
私の真剣さが伝わったのか、久城先生も足を止めた。
「まずは連絡先を、交換しませんか?」
FIN.


