俺様外科医との甘い攻防戦

 モテる恋人に対して拗ねた私が、合コンに参加した。

 それが、久城先生の演技プランだっただろうけど!

『違う! 久城先生とは、そんなんじゃないからね!』

『え〜。私、久城先生だなんて、ひとことも言ってないけど?』

「わ……」

 撃沈して、布団に突っ伏す。

 墓穴掘った。
 しかもお試しとはいえ結果的には、付き合う形になっている。

『ま、私は生温かく見守りま〜す』

 生温かくないよ。
 強引な久城先生が『乱暴だ』って呆れていたよ!

 心の中で突っ込んでも、返信する気力がなくて、目を閉じる。

 極上な寝心地のベッドは簡単に眠りにつけて、目まぐるしい現実からひとときの間、逃れさせてくれた。
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