プールのあとはお腹が減る。
「わけわかんないよ。なんで無関係な私達まで殺されないといけないの?」

「何十年も押さえつけられていた生への執着が、完全にあの子達を悪霊にしている。たとえあなた達を餌にしてでも、死を克服しようとしているの…」

生への執着…?
死を克服…?

夏実が何を言っているのか分からなかった。

「夏実、お願いがあるの。誰か助けを呼んで。警察でもなんでもいいから…」

私が言うと、夏実は急に黙ってしまった。

「それじゃ、生き残れない…」
夏実が言う。

「じゃあ、どうすればいいの!?」
思わず大きな声が出る。

「まだ、 詳しくは言えないけど…」

夏実の声に、ゾクッとするほどの重みが宿る。

「私は、この現象を全て解決する方法を知っている。環の命はもちろん、うまくいけば死んだみんなの命も全て救える…」
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