お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言
薫さんは黒五つ紋付き羽織袴を、私は千羽鶴や四季折々の縁起がよいとされている華が描かれている白無垢を着て式に望んだ。

参進の儀から始まり順を追って誓杯の儀、そして誓詞奏上、玉串奉奠など洋式の結婚式とは異なる重厚で厳かな雰囲気が漂っていて、とても緊張してしまった。

だけど、そんな私を薫さんが何度も気にかけてくれてその優しさに救われてなんとか最後までやり遂げることができた。

結婚式を終えて大役を務めきり、本当の意味で薫さんと夫婦になれたことは素直に嬉しい。

だけど本音を言えば、結婚式には昔からの憧れていた純白のウェディングドレスが着たいという願望があったので、少しだけそれが心残りだ。

紗希にはそんな本音をぽつりと話してしまったが、薫さんには薫さんのご両親と揉めることになるだろうと思い言えなかった。

それでも心から大好きな人と結ばれたのだから私は十分幸せだ。淡い心残りを胸にそっとしまったまま、私たちは新婚旅行へと旅立った。
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