お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言
まぶたの裏に感じた陽の光に導かれるようにゆっくりと目を開けると、そこには愛おしい顔があった。

「おはよう、美月」

薫さんが私のおでこにキスを落とした。

「いつから起きていたんですか?」

「少し前だ。美月の寝顔があまりに可愛くて見惚れてた」

「え?」

急に恥ずかしさがこみ上げてきて顔が真っ赤に染まっていく。

「ここにこい。もっと近くで美月の顔がみたい」

薫さんが自分の腕を指差して、ここに頭を置けと私にジェスチャーする。戸惑いながらも、ちょこんと頭を置くと薫さんが嬉しそうに笑い、頰を撫でた。

これが巷でいう腕まくらというものらしい。すごく恥ずかしいが、薫さんの温もりに触れて包まれているみたいで幸せな気持ちになった。

「体調は大丈夫か? 無理に最後まで押し通してしまってすまなかったな」

「大丈夫です」

下腹部に残る痛みと薫さんの温もりに触れて、薫さんと身も心も結ばれたんだという実感が湧いてきて、思わず笑みが溢れる。

「どうしたんだ?」

「薫さんと結ばれて本当に幸せだと思ったら、つい嬉しくて笑ってしまいました」

「俺もすごく幸せだ。そしてそんな照れた顔で可愛いらしいことを言われると愛おしさが募って我慢できなくなる」

「え?」

「今日はしばらく美月のことを解放する気はないから覚悟しろ」

悪戯に笑い、薫さんが甘くとろけるようなキスを落とした。
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