ふしだらな猫かぶりからの溺愛
「…………RUIくん?」
――ドクン、と身体に感じるほど心臓が脈を打った気がした。
「……っ」
私の息を飲む音が届いたのか、万里さんがとても大きくため息を吐いて頭上に置かれたままの手がトントンとあやすように動く。
「もうRUIくんに会うのやめろ。ギターの練習なら神奈に別で教えてもらえばいい」
ぶっきらぼうな言い方なのに、とても優しく、心に浸透する万里さんの声。
RUIさんのために、と私を会わせたのに。
ashのメンバーはRUIさんと自分たちの音楽のことだけを考えていればいいのに。
この人は今……私のためにこう言ってくれている。
私の気持ちを思って。
――RUIさんから離れる選択肢をくれているんだ。
――ドクン、と身体に感じるほど心臓が脈を打った気がした。
「……っ」
私の息を飲む音が届いたのか、万里さんがとても大きくため息を吐いて頭上に置かれたままの手がトントンとあやすように動く。
「もうRUIくんに会うのやめろ。ギターの練習なら神奈に別で教えてもらえばいい」
ぶっきらぼうな言い方なのに、とても優しく、心に浸透する万里さんの声。
RUIさんのために、と私を会わせたのに。
ashのメンバーはRUIさんと自分たちの音楽のことだけを考えていればいいのに。
この人は今……私のためにこう言ってくれている。
私の気持ちを思って。
――RUIさんから離れる選択肢をくれているんだ。