ふしだらな猫かぶりからの溺愛
「えっ、あ!まじ?仁那悪い、明日まで借りとく」

「ん、じゃあねー」

「おー」

藍と一緒に教室を出た私の姿を見送ってまたノートの写しを再開しようとした悟に周りの男子からのため息混じりの声。


「はぁ、今日も仁那ちゃん可愛いな〜」

「は?いつもと変わんなくね?」

「ばっか!いつもいつも全力で可愛いすぎるんだよ!」

「智、お前よく仁那ちゃんとあんなふつうに会話出来るよな……俺たちなんか緊張してまともに話せねえよ」

「仁那なんか見た目いいだけで中身音楽バカなんだから別にふつうに会話くらいできるだろ」

「なっ!そんなことできるわけねぇー!」

「もうお前ほんとさっさと付き合って俺たちを諦めさせてくれよーっ!!」

「はっ……!?お、俺は別にっ」

顔を真っ赤にした智に周りが呆れた視線を送る。

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