ふしだらな猫かぶりからの溺愛

「んん?教室、の、窓ー?なんかあった?」

もしかして、校門に瑠衣がいるのをみんなが騒いでいたから窓からも何人か眺めていたのかな?

「それって瑠衣を見てた女の子たち?」

「ううん、俺の彼女に熱い視線を送る男の子〜」

「へっ!?」

「あ〜心配すぎて俺も一緒に学校行きたい」

「えぇ!?そんなに心配しなくても大丈夫だってー」

「ムリ。仁那のことになると余裕なんてなくなるから〜」



本当に、今までの瑠衣は女性関係にはルーズで、確かに適当な緩い性格だったんだろう。

だけどね、藍。

今の瑠衣は学校までわざわざ迎えに来てくれるし、私のことを無駄に心配して一緒に学校行きたいなんて言い出すくらい。
全然、ほんと全然、面倒くさがりでもないし緩くもないみたい。



「やっぱ軽いのだけさせて〜」

そう言って地上350メートルの高さで、ちゅっ、と軽く音を立ててキスをしてきた瑠衣は、結局我慢が出来なかったらしい。

まぁ、恥ずかしすぎるけど、さっきの女の人たちにこれで妹じゃなくて彼女って思ってもらえるかなと思うと、実は嫌じゃなかったりする。


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