ふしだらな猫かぶりからの溺愛



「うん」


えっ……。

了承とも取れるRUIの発言に、心臓がギュッと潰れるように痛んだ。


「うん、無理」


それだけ言うと、もう未来ちゃんに興味はないのか今度こそ足を止めることなくスタジオを出て行った。


「すみませんね、RUIが失礼な態度をとって。じゃあ俺たちはこれで」


RUIに続いてモモタと万里も出て行き、最後に残った神奈が未来ちゃんにそう声をかけるとそのまま扉の向こうへ姿を消した。




「RUIさんかっこいいですね……」

菫さんが見惚れるようにashが出て行った扉のほうを見ている。

気がつくと手を強く握っていたみたいで、身体の力が抜けるとともに掌に食い込んだ爪の痕が痛みとなって知らせてきた。

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