俺様天使の助手になりまして

『そうか。カッコイイか。なら、朱里も剣道やってみるか?』

『うん! やりたい!』

 私とパパの会話を聞いて、おじいちゃん先生も嬉しそうに言ったんだった。

『よし、それなら朱里ちゃんには、これをプレゼントだ。来週から、パパと一緒に稽古においで』

 笑顔で渡してくれた、小さな竹刀。持っただけで、誰よりも強くなった気がした。

「そこにいるのは朱里じゃないか?」

 聞き覚えのある声がして振り返ると、藤松の若先生がにこにこしながらこっちに歩いてきていた。若いって言っても、おじいちゃん先生の息子なだけで、中年のおじちゃんだ。

「若先生。お久しぶりです」

「元気そうだな。暫く見ないうちに、すっかり女らしくなったじゃないか。それに、イイオトコ連れて。彼氏かあ?」

「やだぁ、違っ。あ、その、これは同級生で~」

 慌てて、両手をぶんぶん振る。彼氏ネタはおなじみだけれど、女らしいなんて、生まれて初めて言われた。

 強いなあ! とか、カッコイイ! などと言われてきた人生だ。お世辞でも、嬉しくてニヤニヤしちゃう。

「若センっ、うにゃあぁっ!?」
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