俺様天使の助手になりまして

 他の全部が人に憑いてるから、ナビっちも見つけにくいんだったりして。

 それとも、ひょっとしたら、これ、ひょっとする? 

 思いついたことで、顔が自然とほころんでくる。

「ね、もう全部見つけちゃったんじゃない? だから、この街にはもう一個も無いの」

 冷たいカルピスを一気に飲むと、ストローからズズズと名残惜しげな音が出た。

「無い? それなら、上層部から連絡がある筈だぞ」

 そう話している傍で、ナビっちの声がし始めた。

「ピコンピコン。ミツケタヨ! ピコンピコン。ミツケタヨ!」

「えぇ、見つけたの。ナビっち、久々だね。三日ぶりくらい?」

 アクマ天使が、ポケットからナビっちを取り出した。手の平の上で、小さな翼を動かしている。それが、なんだか嬉しそうに思えた。

 反対に、ナビっちを見るアクマ天使の目には、鋭い光がともっている。

 そして私は、ガッカリ感に沈んでいた。

「残念だったな。場所は、川の方だ。行くぞ」

 素早く立ち上がったアクマ天使に、腕を引かれてぐいぐいと窓の方へ引き摺られていく。

「ちょ、待ってよ。窓から行くの?」

「急ぐんだ」

「あ、春川さん、ご馳走様でした! カレーとっても美味しかったです!」
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