君を輝かせるのは私だけ。
…今でさえ、

自分は、大学に専門にとバタバタして融通きかせていただいてるのに、

女子代表兼任なんて不可能なんじゃ…

それに、男子の選手に対して不誠実なんじゃ?

考えて視線がどんどん下に落ちて行く。

どうしたらいいんだろう。

「あおー!」

呼ばれて顔をあげたら祐真さんがスパイクを打つ前で、

ピースをしてから、助走に入る。

…羽がついてるみたい。

キラキラとしたコート上の祐真さんに心が奪われる。

私は、なにがしたい?

綺麗に弧を描いたボールは祐真さんの手に吸い寄せられて、力強く相手コートに跳ねる。

「あお、俺は世界一になりたい。健さんに金メダルあげたい。あおの実力を証明したい。…あおの自慢の一番キラキラ輝く星になりたい。」

コートから力強い瞳で私を捕らえる彼は、

もうすでに光り輝いていて、

「あおさん、俺も!祐真さんに負けない!」

渉がはにかんで私をみる。

「あおは?何がしたい?」

その言葉が私に届いた時には、

私の心は決まってたんだと思う。

「私は、けんくんを祐真さんを渉を皆さんを世界一にしたい。私も祐真さんみたいにキラキラと輝いてみたい。」

祐真さんは優しく笑って、

「あお、あおならできる!」

そう言って私の方に走ってきて熱く私を包み込んでくれる。
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