君を輝かせるのは私だけ。
え、ショック。

手で押しのけられて、

あおが離れていく。

「嫌、だった?」

「……嫌とかじゃなく、恥ずかしい」

消えそうな声。

真っ赤な耳。

え、何この可愛いすぎる生き物。

もう一回抱きしめようとしたら、

ひらりとかわされて、更衣室から追い出される。

「え、あお?」

「…着替える!」

閉められる扉の隙間から見えた彼女は真っ赤で、

さっきまでバレーだけに注がれてた視線が自分を向いてて、

すごく優越感。

あおの意識に入るのは、バレーとおれだけ。

…だけではないけど。

…健さんとかリサちゃんとか。

ましてや渉なんて俺と同じくらいだけど。

でも間違いなくあおを真っ赤にさせれるのは俺だけ…

…だよね?
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