君を輝かせるのは私だけ。
「なんか、すごい久しぶり…嬉しい。」

「んー確かに?ワールドカップ 終わってから怒涛の忙しさですもんね!今日の撮影どうでした?」

あ、バレー以外の話もしてくれるんだ。

と少しだけ驚いたのが伝わったのか、

可愛く睨むあお。

「…私だって祐真さんと日常の会話だってしたいと思うんですけどー」

え、なにそれ。

なにそれ!!

可愛すぎない!?

ハグしようとしたのをあおに止められる。

「え、可愛すぎない!?」

「…言わなきゃよかったです」

可愛いぃ。

少し照れて明後日の方に向いてしまったあおの耳は赤い。

あー、可愛い。

「撮影は、健さんさすがって感じだったよ?」

あおは首を傾げつつ、そうですか、と答える。

「あおは?忙しすぎて体調崩してない?」

「自分も選手になってから睡眠も取らなきゃだし、やりたいこともあるしでてんやわんやしてますけど、でも楽しいので平気です!」

本当にいい笑顔。

「あおー?」

ビクッとあおの方が揺れて、

咎める目が向けられる。

…気づいてるけど気づいてないフリ。

机の下で包んだあおの俺より小さな手を大事に触れる。

「あお、メダル取ろうね。楽しみ。」

「…絶対取ります。負けません。」

あおらしい返答に頬が緩む。

5分と宣言した健さんが俺たちを呼ぶまでの数分、手を繋いだまま意見を出し合った。

…楽しいなぁ。

そして、楽しみだなぁ。
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