君を輝かせるのは私だけ。

毎日忙しい日々をやり過ごして、

合宿もあと二週間くらいになってきた頃。

今日は男女合わせてのインタビューがあるらしく、

近くで合宿を行っていた女子チームがこちらに足を運んでいるみたい。

そのこともあって午後からは自主練になっていて、

ほとんどのメンバーがウェイトや何人かでミーティングしたりと散り散りになる。

インタビューされる中に含まれているけんくんと祐真さんは、

汗を流して代表指定ジャージをきて、

コートの一角に備え付けられたインタビュースポットで女子の方々と談笑している。

仲良しなんだなぁ。

なんて横目でみつつ、

渉と練習を続ける。

「あおさん!今日もあおさんの部屋行っても、へぶっ!」

私は慌てて渉の口を塞ぐ。

インタビューするためにきていたもう引退された代表OBの方やカメラマンに聞こえてないか確認して、ほっと胸を撫で下ろす。

「渉、誤解を生むからそう言うの大きい声で言わない!はい、練習続きやるよ!」

「は、はい!」

渉は慌てて口を塞がれた衝撃で落ちたボールを拾ってスパイクの練習に戻る。

そのボールを反対側のコートで指示を出しながら拾って返してを繰り返す。

ほんとすごい成長速度だなぁ。

負けてられない!

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