君を輝かせるのは私だけ。
「なんでお前知ってんの?」

「え?」

まずい、という顔をした渉が逃げようとするのを即座に止める。

「なんで、お前が、知ってんの?」

にっこり笑っていうと、

怯えた渉が、

「…宣言した日の次の日に、祐真さんも教えてもらってないって健さんから聞いたんですけど、ダメ元であおさんに聞いたら、一言、『いいよ。』って…それでバレーのことについて質問を何度か…」

と答える。

なっ!あお!

俺の時は、『必要ないです。けんくんを通してくれればいつでも答えるんで。』とか言ったのに!!

贔屓だ!差別だ!

「…お前、むかつく。」

「ええ!俺っすか?!」

2人でワイワイしてると、

部屋に戻ってきた健さんが、

「兄弟みたいで微笑ましいけど、怪我はすんなよ?莉緒に怒られんぞ?」

と笑っていうから、

2人ともピタリと動きを止める。

「というか!あおが渉を贔屓するんですけど!」

ケータイを振り回しながら健さんに抗議すると、

「あぁ、連絡先?たぶんお前が知らなかった最後の人じゃない?連絡とってるかどうかはおいといて、みんな知ってると思うけど。」

ニヤニヤ笑う健さんに血の気が引く。
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