君を輝かせるのは私だけ。
「え!この前の!え!ていうことは、あの天才が私に話しかけてきてたんですか!?」
天才という言葉に反応してしまう。
「天才…ね。」
結局この子も、
天才の一言で済ますのか。
「そうですよ!なかなかそこまでバレーボールに身を捧げられる人っていないと思うんです!努力の天才、ですよね!すごいな〜この前話しかけられた時は身体のシルエット見えないし気づかなかったですー!」
ペラペラと話し出す彼女と固まる俺。
努力の…天才?
固まる俺をよそに彼女は、
「私一度、近くで宮本祐真選手見てみたかったんです!どうやったらあんなにジャンプできるのか!」
ペラペラと話しながら興味津々で俺の身体を観察し始める。
…見つけたかもしれない。
「…俺とパスしようよ。」
その一言に全員が驚く。
「は!?祐真から誘った!?」
「ちょ、健さん!明日大雪!春なのに!」
「まじ!?」
目の前の彼女は、
お化けでもみたかのように俺の顔を見て固まっている。
「おもしれー。いいよ、祐真。貸してやる。…たぶん、返したくなくなるよ。」
健さんは本当に嬉しそうに笑って言う。
さぁ、お手並み拝見といこうか。
…でももう、答えはきっと見えている。