【番外編】好きの海があふれそう
絵のうまい玖麗の、可愛いイラスト。



『ぎ』…ギター?



玖麗からシャーペンを受け取ってギターの絵を描く。



次は、玖麗がたぬきのイラストを書いた。



『き』…キス?



って、違う違う…。



頭を振ってその考えを追い出した。



しばらく絵しりとりを続けていた。



やってるとなかなか楽しい。



何より、楽しそうに笑う玖麗が可愛い。



玖麗が書いたなにかの地形。



最初の文字は『お』。



これは…オーストラリアか。



てことは次は『あ』。



あ…『赤』は絵じゃ表せないし、『足』はさっき出た…。



うーん…。



あ、そうだ。



水面の絵と、それに浸かっている足のイラスト。



足湯だ。



玖麗が、それを見てからしばらく考えて、「あっ」という顔をして何か描き始めた。



ん~これは…?



黒髪短髪の男の子の絵。



もしかして…『悠麗』?



玖麗の方を見た。



玖麗は「へへっ」と笑顔を見せる。



なにそれ、死ぬほど可愛いじゃん…。



思わず正面から抱きしめた。



今日はくっついてばかりだ。



体をゆっくりと離して、玖麗の髪を撫でつつ、しばらく見つめ合った。



玖麗の顔が赤い。



それが余計に可愛い…。



玖麗のピンクの小さい唇が動いた。



「悠麗、キスしたい…」



えっ?



ん? 今の、俺の幻聴?



驚いた顔で玖麗を見つめると、真っ赤な顔をしてる。



てことは…幻聴じゃなくて、現実?
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