✻秘密は甘くて危険な味✻
秘密1 春と歩稀
サクサクのクッキー生地に、中はふわふわの甘い甘いメロンパン。
沢山の種類があるけれど、昔ながらの変わらないメロンパンが1番美味しい。

あぁ、一度で良いからお腹いっぱい食べてみたい。

「メロンパン!!…って、あれ?」
「瀬〜良〜。また居眠りしおって!廊下に立っとれ!」

メロンパンに飛び付いたつもりが、気が付けば授業中真っ只中。
クラスメイト達は、目をぱちくりさせ口をポカンと開けてこちらを見ていた。
教壇に立つ先生に怒鳴られ、そそくさと廊下に出て立つ。

「またやってしまった…」

頭をわしゃわしゃしながら項垂れた。
まだどのクラスも授業中だから、廊下は静まり返っている。
廊下の大きな窓からは、広がる青空が目に映る。
まるで、大きなキャンパスのようだ。
静かにゆっくりと流れる雲を眺める。

「あ、あれどら焼きの形にそっくり!あれは…メロンパン!あれは……げっ!」

流れる雲の形を好きな食べ物に当てはめていると、後ろから肩を叩かれ振り向く。
そこには、般若の面を被ったかのような表情をする先生が立っていた。
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