卒業写真を一緒に
「……おはよう」
朝の騒がしい教室。
おずおずとした私の言葉に対し、挨拶が返ってくることはない。クラスメイトは誰一人として私のことを気にも留めない。
いつものことだ。
暗い気分で、また一日をやり過ごす。
学校で皆が楽し気に笑う姿を、まるで別世界の出来事のように隅っこでただ眺めるだけ。
同じ場所で、同じ時を経てきたのに。
絶対に、私はあちら側に行くことができない。
その事実に毎日打ちのめされる。
もうこのクラスにいられる時間も終わりが近い。こうして誰と交わることもなく、卒業式を迎えるのだろうか。
考えるだけで、目に熱いものがこみあげてくる。
いけない。
今日は卒業アルバムに載せる集合写真を撮る日だ。
せめて、ずっと一緒にいた一員として……その瞬間くらいは笑顔で写りたい。私は確かに、ここにいたんだと証を残したかった。
数日後。
「ねえ、知ってる? この前撮った卒業写真に、一人多く写ってたんだって」
「え、それって心霊写真ってやつじゃん」
クラスメイト達が気味悪そうに噂話をしているのが耳に届く。
良かった。
どうやら、ちゃんと私も皆と一緒に写ることができたらしい。
朝の騒がしい教室。
おずおずとした私の言葉に対し、挨拶が返ってくることはない。クラスメイトは誰一人として私のことを気にも留めない。
いつものことだ。
暗い気分で、また一日をやり過ごす。
学校で皆が楽し気に笑う姿を、まるで別世界の出来事のように隅っこでただ眺めるだけ。
同じ場所で、同じ時を経てきたのに。
絶対に、私はあちら側に行くことができない。
その事実に毎日打ちのめされる。
もうこのクラスにいられる時間も終わりが近い。こうして誰と交わることもなく、卒業式を迎えるのだろうか。
考えるだけで、目に熱いものがこみあげてくる。
いけない。
今日は卒業アルバムに載せる集合写真を撮る日だ。
せめて、ずっと一緒にいた一員として……その瞬間くらいは笑顔で写りたい。私は確かに、ここにいたんだと証を残したかった。
数日後。
「ねえ、知ってる? この前撮った卒業写真に、一人多く写ってたんだって」
「え、それって心霊写真ってやつじゃん」
クラスメイト達が気味悪そうに噂話をしているのが耳に届く。
良かった。
どうやら、ちゃんと私も皆と一緒に写ることができたらしい。