*・.・* 時間旅行 *・.・*
「…………長迫高校……」

「えっ?!」

学校名を口にした途端、分かりやすく驚く藤堂。

「オープンキャンパスで、高校の先生とお話ししただろう?
あの人………
ウチの高等部の澤先生のお兄さんなんだ。
俺と澤先生……学生の頃からの仲良しさんで
お兄さんが弟に『ウチの生徒が来た』って言って………
俺の所に話しが回ってきたんだ。
世間って………狭いよね。
………………俺が不甲斐ないから……
一人で悩んで………行動したんだろう?
…………本当に…………ごめんなさい。
初めての担任に………バタバタしてって……自分に言い訳して………
逃げてた。
澤先生のお兄さんに『教師が逃げるな!』って怒られて………
反省しました……。
後藤さんには『頼りない、ウソつきな教師!』って映ったろうけど……。
ずっと……気になってたんだ………。
毎朝見る顔が、どんどん浮かなくなるし。
俺と目を合わせてくれなくなったから………。
答えを見つけようって………言ったのにね……。
藤堂さんは、俺を信じれないと思うけど………。
…………もう一度、チャンスを下さい!!」

そう言って、再び頭を下げる俺に

「あっ………えっと………。
あのっ。
とりあえず頭を上げて下さい!!
………………………。
そうですね…………。
正直………先生には………失望してます。」

覚悟していた言葉だけど………

面と向かって言われると………やっぱりショックだった。

けど彼女は………

そう言わないといけない程ショックを受け

傷ついていたんだと思うと

もっとショックだった。
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