予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 家に帰って読み込んで、妊娠してから出産するまでの十カ月の間に、どれだけ女性の体が変化しどれだけ負担を負うのかはじめて具体的に知った俺は、自分の無知さが恥ずかしくなった。
 
 吉木が俺の子を妊娠していると知って、ただ純粋にうれしいと思った自分がいかに軽率だったかを思い知る。
 
 精神的にも身体的にも負担が少なくなるように環境を整え、きちんと準備をしたうえで子供を授かるのが一番安全で健全なのに。
 
 それなのに、苦労するとわかっていてひとりで子供を産んで育てたいと決意した彼女の強さといじらしさに胸がつまる。
 

 そして、あの夜自分の欲望を押さえきれず身勝手に彼女を抱いた自分を殴ってやりたくなった。


「社長がわざわざ妊娠について調べてくれるなんて……」

 吉木は驚いたようにつぶやく。

 俺はそんな彼女を見つめながら名前を呼んだ。


「香澄」

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