予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 文句を言いながら、パジャマ姿の私の肩にカーディガンをかけてくれる。

「あ、ありがとうございます。でも、今日はあまり寒くないので、大丈夫ですよ」
「もうすぐ十二月になるんだから、風邪も流行りだすだろうし、気を付けた方がいい」

 私が社長のマンションで暮らしはじめて一週間と少し。

 彼は私を『香澄』と名前で呼ぶようになった。

 そしてなにかあるごとに、私の体調を心配してくれるようになった。

 
 彼がこんなに過保護で心配性だったなんて、今まで知らなかった。

「すみません。気を付けます」

 私が素直に謝ると、社長は表情をやわらげる。

「中に入ろう」

 その言葉にうなずいて、バルコニーから部屋に戻った。


 社長と一緒に大きなソファに座ると、私の膝の上に肌触りのいいブランケットをかけてくれる。
 
 
 
 
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