予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 辻さんの提案に、慌てて首を横に振る。

「いえ、私はもうこんなお腹ですし、社外での仕事に同行するのは……」

 お腹のふくらみは服の上からでもわかるほどになっていた。

 この状況で私が秘書としてたくさんの人が集まる場所に行くのは、社長をサポートするどころか、反対に周囲に気を遣わせてしまいそうで申し訳ない。
 
 それに……。
 
 さっき聞いた女子社員たちの言葉がよみがえる。

 秘書の私が大きなお腹で社長に帯同したら、来場した参加者たちからどんなふうに思われるだろう。
 

 私なんかと結婚したせいで社長の評価が落ちてしまったら。

 そう考えると怖い。



「そっかぁ。ついでに、世の女性たちに社長の妻は私よって、アピールしてきたらいいと思ったのになぁ」
「なにを言ってるんですか」


 辻さんの言葉に苦笑いした。










 三月も中旬になり、妊娠七か月目に入った。

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