予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
8 私たちの赤ちゃんです
8 私たちの赤ちゃんです
春が過ぎ梅雨の季節が訪れた。
朝、リビングの窓の外を見ると、今日も雨が降っていた。
雨粒が窓ガラスにぶつかって流れ落ちる。
「川辺を散歩したかったのに、なかなか晴れてくれないね」
大きなお腹をなでながらひとりごとをつぶやくと、後ろから腕が伸びてきて抱きしめられた。
「出産して落ち着いたころには梅雨も明けているだろうから、そうしたら三人で散歩しような」
振り返ると、朝の支度を終えた柊人さんが私を抱きしめていた。
「そうですね」
うなずいた私に、柊人さんが微笑み短いキスをしてくれる。
こうやってキスをするのは毎日のことなのに、整った顔に見つめられるとどうしても頬が熱くなる。
さりげなく目をそらした私に気付いて、柊人さんは肩を揺らして笑った。
「結婚して半年たつのに、いまだにキスで照れるのか」