予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
 役員フロアや秘書室は、最上階の十一階にあり、さすがに店舗ほどではないけれど、豪華で広々とした造りになっている。
 
 私が秘書室に併設された専用の休憩スペースでサラダを食べていると、先輩の辻さんが声をかけてきた。

「香澄ちゃん、サラダしか食べないの?」
「ええと、ちょっと食欲がなくて……」

 そう言う私に、辻さんが顔をしかめた。
 
 八歳年上の彼女は、私の前に社長の専属秘書をしていたベテランの先輩だ。
 
 産休を経て職場復帰したけれど、育児を第一にしたいからと今は私たち秘書のサポート業務をしてくれている。

「まさか。香澄ちゃん、そんなに細いのにダイエットしてるわけじゃないよね?」
「いえ、そういうわけじゃないんですけど」

 辻さんにするどい視線を向けられ、曖昧な笑顔でごまかす。



 妊娠が発覚してから今日で三日。
 
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