予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
『社長にはしばらく香澄ちゃんの妊娠は隠す方向でいい?』
「それは、もちろんです」

 最初から妊娠を彼に伝える気はなかった。
 
 万が一バレて、おろしてくれと言われたら……。

 そう思うだけで背筋が冷たくなる。


 ずっと隠し通すのは無理だろうけど、少しでも時間をかせぎたい。

 隠している間に出産について勉強したり、仕事をどうするか考えないといけないし……。




『それなら妊娠しているのがばれないように、香澄ちゃんは極力社長とは顔を合わせない方がいいわ。妊娠初期に無理は禁物だから、長江さんに仕事を調節してもらいましょう。あ、副社長の綾人さんにも協力を仰いだ方がいいかしら』

 早口で言う辻さんの声は、なぜかうきうきと弾んでいるように聞こえた。

「いえ、あの。私が妊娠していることは他の人にも知られたくないんですが……」
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