予想外の妊娠ですが、極上社長は身ごもり妻の心も体も娶りたい
ステージを下りた俺に、額に汗を浮かべた小太りの中年の男が近寄ってきた。

「いやぁ、柊人くん。すばらしいスピーチだったよ。イケメンだから花束を持つ姿が絵になるねぇ。君のような有望な若者が社長になれば、HAMASAKIもこの先安泰だ」

 歯の浮くようなお世辞に、俺はひややかな笑みを浮かべる。

「ありがとうございます、富阪社長。まさか、こんなところでお会いできるとは思いませんでした」

 彼は老舗デパートである、富阪百貨店の社長だ。

 今回の就任パーティーには招待していなかったのに、話を聞きつけ勝手にやってきたんだろう。

「柊人くんが経営方針の転換をしてから、HAMASAKIはずっと好調らしいじゃないか。もしよかったら、うちの百貨店でもバッグを……」

 ゴマをするように手をもみながらそう続ける。

 バッグの製造をはじめてから百年。

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