夏を殺して。
わたしみたいに、ちょうどいい塩加減なオンナノコじゃなくて、ふわふわしてるかわいい女の子。
わたしみたいに、汗臭くておでこに前髪がくっついちゃってるようなオンナノコじゃなくて、サラサラした髪でいつも甘いいい匂いがする女の子。
そりゃそう。当たり前。
さっきも同じこと考えた。
ひねくれ者で煽ることしかできないオンナノコなんてチャンスはなかったんだ。
分かってたけど、それでも信じてたかったから。わたしにもいつかチャンスが巡ってくるって信じたかったから。
「よかったね」
「うん」
よかったなんて思ってないくせに。
素直になんてなれるわけない。
お願いだから、うれしそうに、幸せそうに笑わないで。