■王とメイドの切ない恋物語■
「ちょっと」

エリザベス姫が、私を呼ぶ。

トーマ様がもういないので、またワガママを言うんだろうか?

「はい、何でしょうか?」

「今の会話、聞いたでしょ?わたくし、今日トーマ様とデートなの」




はいぃっ?

デート?

馬に乗るのを、教えてもらうんでしょ?

「はぁ…」

エリザベス姫は、私の気のない返事も、全く気にしていない。



「そう、だから色々準備が忙しいの あなた手伝って」

そういうことですか。

「はい、かしこまりました」

トーマ様とエリザベス姫が仲良くするのは辛いけど、エリザベス姫が、こうやってトーマ様とデートだーって、はしゃいでいるところを見ると、ちょっとだけ、エリザベス姫が可愛く思える。

エリザベス姫の気持ちも、わかるからだ。

エリザベス姫も、私と一緒。

恋する乙女なんだね。


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