■王とメイドの切ない恋物語■

新たな友情

次の日

あー。完全に寝不足だー。

興奮して、なかなか眠れなかった私は、フラフラしながら起き上がった。

今日は、朝食当番の日だ。

よし、がんばろう!

私は冷たい水で顔を洗い、気を引き締めた。



朝食の準備をし、トーマ様や、エリザベス姫が食卓につくのを待った。

最初に、エリザベス姫が入ってきて、2分くらい遅れて、トーマ様も広間に入ってきた。



トーマ様を見た瞬間、昨日のことを思い出し、顔が赤くなってしまう。

落ち着け~、落ち着け、私。




私は、仕事に集中することにした。

が、やっぱり無意識に、トーマ様をチラチラ見てしまう。


そして、胸がキュゥンと締め付けられる。

我ながら、重症だと思う。



そんな中、エリザベス姫が、いつものように、トーマ様に甘えているのが見えた。

「ねー、トーマ様。わたくし、馬に乗りたいの。今日、時間があったら教えてくださらない?」

トーマ様は
「少し待ってくださいね」
と言うと、隣にいた部下に、今日の予定を聞いていた。



「今日の午後3時くらいからなら予定が空いてますが、それでもいいですか?」

エリザベス姫の表情が輝いた。

「ええ!うれしいわ。ありがとう」




エリザベス姫は、その後もルンルンだった。

朝食が終わり、トーマ様は、席を立って出ていった。



いいな、トーマ様に教えてもらえるなんて。

私はエリザベス姫が、ちょっと、いや、かなりうらやましく思えた。

いいな、いいな。


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