■王とメイドの切ない恋物語■
6章 近づく関係

いつもの

エリザベス姫が帰っていって、2週間が経った。



トーマ様は、かなり忙しいみたいで、庭でランチをするという計画は、未だ達成していない。


このまま、ランチ無くなっちゃったら、ちょっと淋しいかも。


せっかくトーマ様に、息抜きしてもらえると思ったんだけど。


私は、そんなことを考えながら、屋上のプランターの花に水をあげていた。


今は、朝だから涼しいけれど、昼になるとかなり蒸し暑い。


もう七月も後半に入った。


私は水やりを終えると、マーヤさんの待つ会議室に向かった。



「失礼します」

私はノックして、会議室に入った。


中央に大きなテーブルがあり、すごい数の荷物や、手紙が積みあがっていた。


「リリアちゃん、これを分類するの、手伝ってちょうだい」


マーヤさんが、私を手招きする。


「はい」

私は、テーブルに近づいた。


「すごい数の荷物ですね」

私が、荷物を見上げると、

「これ、全部、トーマ様へ、色々な国の姫からの贈り物や手紙なのよ」

ひゃー トーマ様は、もてるとは聞いていたけど、ここまでだったとは…

「すごいでしょ?これで1ヶ月分なのよ。でもトーマ様は、見ようともしないから、私達が月に1回、こうやって整理して、倉庫にしまってるのよ」

「そうなんですね」

そうだよね、トーマ様には、昔から心に決めている人がいるんだもんね…

私はそう思って、少し落ち込んだ。

あー、ダメダメ。

もう考えるのやめよ…

私は、マーヤさんと一緒に、荷物の整理を頑張った。
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