■王とメイドの切ない恋物語■
夕方になり、仕事も終わったので、食事を済ませ、部屋に戻った。



時間が余っちゃったな。

何しようかな。

あ、そうだ。

まーくんに、手紙の返事出さなきゃ。



私は、ペンと便箋を出して、書き始めた。




まーくんへ
久しぶりだね。元気だった?
私は、お城で働くことになって毎日頑張っています…


後は何書こう。あっ、そう言えば、まーくん好きな子のこと言ってたな。


まーくん、好きな子が近くに引っ越してきたんだって?よかったね。まーくんなら、優しいし、きっとうまくいくと思うよ。応援してるから、がんばってね。


そこまで書いて、少しペンを休めた。
まーくんになら、本当のこと言ってもいいよね?
いつも手紙で相談してたし。

私は、トーマ様のことを書くことにした。



まーくん、あのね、私も好きな人ができたんだ。
かっこよくて、優しくて。
一緒にいるだけで、とても幸せなの。
でも、その人は昔から心に決めている人がいるみたいなの。
すごくショックだった。
本当は、私のこと見てほしいよ。
でもいいの。
彼と一緒の時間を過ごす、それだけで私は十分幸せだから。
辛い恋だけどがんばるね。


文章にすることで、自分の中でも、気持ちの整理がついた気がした。


そうよ、傍にいれるだけでいいよ。

トーマ様のこと、まだ好きでいて、いいよね?


私は手紙の最後に、

またいつか、まーくんに会いたいな
では、まーくん、またね
リリア

そう締めくくった。


< 149 / 396 >

この作品をシェア

pagetop