■王とメイドの切ない恋物語■
うっ またばれてる?

うーん。

エリックには言ってもいいか。

いつも相談のってもらってるしね。

「実は…」

「なになに?」

「明日、トーマ様と、2人きりでランチなの」

思い切って言ってみた。

「へ?」

一瞬わけが分からなかったらしく、エリックは、キョトンとした。

私は続けた。

「だから、それが楽しみでニヤニヤしちゃうのさ」

私は顔を赤らめながら、エリックをパシパシ叩く。

「あ、あぁ、そういうことか…」

エリックは、ようやく理解したらしい。




エリックは、ふと、こっちを見て、

「ん?ということは、リリアの好きな人って…」

「そうなんだー、トーマ様なの」

言っちゃったよ。

めちゃくちゃ恥ずかしい。


「そうだったんだね」

と、エリックは、うつむいた。

「エリック?」

「あぁ、何でもない」

エリックは顔を上げて、笑ってくれた。


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