■王とメイドの切ない恋物語■
「さぁ、はじめるぜ。みんな逃げな」

エリックが笑いながら、みんなに声をかける。

「私も容赦しませんよー」

もう1人の子も、ヤル気満々だ。



みんな、キャーキャー言いながら逃げ始めた。

私も走る。


「リリア、そんな走り方だとすぐ捕まるわよーっ」


遠くから、チチリさんの楽しそうな声が聞こえる。



薄暗い中、いろんな所で声が聞こえてくる。

「きゃー!やだ。捕まっちゃった」

「アハハ」




私も、一生懸命逃げた。


暗いから近づくまで誰かわからないし、鬼かどうかも、わからない。


結構、スリル満点だ。


あっ 誰か近づいてきた!


私が警戒していると、違うメイドの子だった。


「あ、リリア!私、鬼じゃないよ」

と、自分の首をさす。

ふぅー びっくりした。

本当に心臓に悪いよ、このゲーム。

私はまた、違う方向に走りだす。

エリック、まだ鬼かな…


そんなことを考えながら走っていると、腕を捕まれた。
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