■王とメイドの切ない恋物語■
「あーぁ、捕まっちゃった」

私が、そう言いながら振り返ると、そこには、エリックが立っていた。


エリック…


エリックは、少し、うつむいた。

「そんな顔するな。ごめんな。リリア優しいから、さっきのこと気になるよな」

キャンプファイアの炎で、エリックが薄ら照らしだされている。


「俺のことは気にするな。せっかくだから今を楽しめ」


優しく私を見つめる、エリックの顔が、そこにあった。

「うん」

私が頷くと、エリックは笑顔を見せた。

エリックが、声をかけてくれたおかげで、さっきのギクシャクした雰囲気が和らいだ。

ありがとう、エリック

エリックの、そうゆう優しいところ大好きだよ

私、いつもエリックに助けられてるね

「エリック、タオルは?鬼なんでしょう?」

と、私が言うと、

「へ?もう鬼じゃないよ。俺様の俊足をなめるなよ」

と、胸を張った。

「なんじゃそりゃ」

私が笑っていると、


「あーっ 2人発見!待てーっ」

チチリさんが、走ってくるのが見える。

「きゃー、チチリさんが、鬼になってる」


「げっ! こっちくるぞ 逃げるぞっ」






私達は、その後、1時間くらい、本気で?鬼ごっこを楽しみ、それぞれ家に帰っていった。

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