■王とメイドの切ない恋物語■
「あ、エリックも、パーティ手伝ってるの?」

見ると、エリックがお皿を片付けているところだった。



エリックは、笑顔で振り向いた。

「おー、リリアか。あぁ、なんせ、この人数だからな。人手不足で、オレらまで手伝うことになってさ」



もう私たちの間に、ぎこちなさはない。

あの後、エリックも普通に接してくれるし、私もそれに甘えて、普通に接している。

エリックは大切な友達だもん。

気まずくなったら、辛いよ。

「そうなんだ」

私も笑顔で返す。

「お皿割りそうで、すごい緊張する」

エリックは危なっかしい手つきで、お皿を片付けていく。

「あはは、私も最初そうだったもん。手とか震えるしさ」

「リリアもそうだったんだな」

エリックは、少し安心したような顔をした。




そろそろ仕事に、もどらなきゃ。

「じゃあ仕事あるからいくね」

「おうっ」

エリックは片手をあげて、次のテーブルに向かっていった。

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